【ラス・カサス「インディアスの破壊についての簡潔な報告」①】
アンニョンハシムニカ!
更新が一週間以上空いてしまいました。
記事更新、復活させていきます。
お金にならない「真の学び」を目指して。
「お金」という目的に縛られると、言うべきことも言えなくなったり忖度が入るので。資本主義の論理にからめとられると思想の発展が制限されます。
そんな人、たくさん見てきました。
そうならないよう、がっつり勉強していきたいと思います。
安倍首相の辞任。
書きたいことはたくさんありますが、安倍政権含め今の日本の公権力は新自由主義、帝国主義、植民地主義まるだし・まっしぐらなので、一つ一つ検証も必要ですが、以前の記事を紹介します。
だいたいそれで大枠の説明がつくかと思います。
【植民地主義論!】エメ・セゼール 超明快痛快植民地支配批判 ① - 留学同大阪ブログ
【植民地主義論!】エメ・セゼール 超明快痛快植民地支配批判 ② - 留学同大阪ブログ
【植民地主義論!】エメ・セゼール 超明快痛快植民地支配批判 ③ - 留学同大阪ブログ
そのセゼールの『植民地主義論』の前史といえるものが今回紹介する一冊。
ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』
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すごい一冊です。
ラス・カサスはスペインの司教。宗教者です。
時代は大航海時代。
1492年、コロンブスが「新大陸」を発見していこうのカリブ海の島々、メキシコ、またラテンアメリカ。
この本で一貫して書かれていることは、虐殺。大虐殺というべきでしょう。
スペイン人、ヨーロッパ人による原住民への蛮行。殺戮、搾取、略奪、奴隷化。
数百人、数千人、数万人、数十万人、という単位での虐殺の事例がボコボコ出てきます。
ラス・カサスは、数百万人の虐殺を目撃したと言います。
セゼールのいうことが大げさでもなく、過激でも何でもなく事実であるということが裏付けられます。
植民地主義とは何か。世界史上の蛮行。
ナチスが行ったことはもっと以前にヨーロッパや帝国主義列強諸国(もちろん日本も)が行ったことである。
「キリスト教と文明の名のもとに新世界へ馬を駆って乗りこんだ征服者=スペイン人たちによる搾取とインディオ殺りくが日常化している植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発した。」(書籍表紙より)
↑ これが、本書の内容そのままだといえます。
スペイン侵略者がどのようにアメリカ大陸を支配していくか、虐殺・搾取をくり返したか。
エスパニョーラ島
サン・フワン島、ジャマイカ島、
ティラ・フェルメ
ユカタン王国
サンタ・マルタ
ベルラス海岸、トリニダード島
ユヤパリ川
ベネズエラ王国
フロリダ
ラ・プラタ川
ペルー
グラナーダ王国
うえにあげた地、すべて大虐殺が行われた地域です。
生々しい虐殺のシーンが描かれています。
次回、書きたいと思います。読むのがものすごくつらいです。
コロンブス認識
世界史の教科書に必ず出てくるコロンブス、コルテス、ピサロといった人間たちがどういった存在であったのか。
コロンブス: サンサルヴァドル島
コルテス: アステカ帝国を滅亡させた
新大陸を発見し、新時代を作った英雄か?
大量虐殺を起こし、奴隷商人として現れた悪魔か?
この本を読むと、およそ前者であるということは口が裂けても言えません。
「植民地とはマニ教的善悪二元論の世界である」(フランツ・ファノン)
認識が問われますね。
”勇気をもって冒険(挑戦)にでて、新たな大陸を発見して、人類の発展に貢献した”
日本社会一般的にコロンブスのイメージって、上のような感じではないでしょうか?
めちゃくちゃ資本主義擁護・礼賛の認識ですね。
資本の都合によって形成されたイメージ。
資本(主義)と歴史認識、もっと深く追求したいテーマです。
「黄金」「財」「名声」を目的に、大量殺りくを行った。
これはその後のアメリカ合衆国で行われたもの、帝国主義が世界中で行ったこと。
ヨーロッパによる搾取、収奪。
それが資本主義の発展をもたらし、さらなる支配を強化する。
セゼールにつながる一冊です。
そして、日本による朝鮮植民地支配について考える上でも有益な一冊だと思います。 続きます。
(黄貴勲)