朝鮮学校高校無償化裁判 福岡高裁判決について
アンニョンハシムニカ!
高校無償化裁判について書きます。
だいぶ以前、大阪、東京の判決が出た際にも書きました。
高校「無償化」裁判についての学習会 ~広島、大阪、東京の判決の比較~① - 留学同大阪ブログ
朝鮮学校高校「無償化」裁判についての学習会 ~広島、大阪、東京の判決の比較~② - 留学同大阪ブログ
今回、2020年10月30日の判決が福岡高裁で出て、その報告集会で述べられたことについて、プラス雑感についてまとめます。
またまた、結論ありきの屁理屈判決 破廉恥な司法
「権力におもねるだけのみっともない判決」
「人権の砦としての役割を放棄した」
「こんな明らかな差別を裁判所が追認」
「国家権力にべったりの結論ありきの判決」
「朝鮮学校のことを知ろうともせずに、よくこんな判決が書けるな」
ここでも、「不当な支配」論によって、朝鮮総聯と一定の関係があるため不指定は違法ではないという判断。
朝鮮総聯と関係があるからダメ。しかし、なぜそれがダメかは言わない。
その際に、どういったことが「不当な支配」にあたるのかは検討されず、福岡高裁は一足飛びで判断した。
問題の本質であるはずの、「ハ条項の削除理由」についても判断せず、「政治外交的目的」かどうかについても検討なしに政府の言うことをそのまま追認。
他の判例にみることのできないくらい、結論ありきの幼稚な判決であったということが言及されました。
国家権力による介入・支配を司法が追認
「不当な支配」を許さないという条項は、もともと国家権力による介入を制限するための条項。
しかし、今回、国家による一方的な解釈によって市民社会へのコントロールを認めてしまった。司法がそれにお墨付きを与えたということにさらなる問題点があるといえます。
より大きな意味でも、司法の役割を放棄し、司法が大きな権力の下僕であることをさらけだしました。
原告側は、裁判所に対して、朝鮮学校の現実を知ってもらうための検証をずっと要請し続けたにもかかわらず、裁判所は全て却下した。
公権力による「北朝鮮悪魔論」に司法ものっかって、朝鮮学校のことを知ろうともしない、学ぼうとも調べようともしない裁判官の姿勢がはっきりしました。
「朝鮮人だから排除しても大丈夫と裁判官が感じる社会を作ってしまった。」
という弁護士の言葉が印象的でした。日本社会の思想的退廃、敗北。 司法が平気でヘイト判決を出せる社会。
問われるのは運動側
今回の判決、資本の下僕、政府の下僕としての司法の醜態が明らかになりました。
それは、大阪、東京、愛知、広島の判決でも同様です(唯一、大阪地裁を除いて)。
破廉恥な権力者の姿。それにおもねって資本の下僕としてしかふるまえない人たちの姿。その人たちが発する自己保身の匂いで充満し醜く崩壊した「論理」。
運動として、これをどのようにとらえ、どのように実践するかが問われていると思います。 同化させられずに、そりこまれないよう。
この日本の司法の醜態から、自分たちの姿・思想を改めて点検しなおすこと。
改めて学ぶことが求められていると思います。