朝鮮学校無償化裁判の意義と今後の課題⑤ 大阪高裁判決逆転敗訴
アンニョンハシムニカ!
まだ続きます。
前々回、前回と、大阪地方裁判所判決について書きました。
朝鮮学校無償化裁判の意義と今後の課題③ 大阪地方裁判所判決の意義 - 留学同大阪ブログ
今回は、大阪高等裁判所判決について
結果は逆転敗訴。ひどい判決。大阪地方裁判所の判決以外は、同じような論理です。
日本国による新たな治安・公安的主張
①朝鮮学校における教育内容が教育基本法の理念に沿ったものであること、
②支給した就学支援金が授業料以外の用途に流用されるおそれがないこと、
③外部団体・機関から不当な人的・物的支配を受けていないこと
④反社会的な活動を行う組織と密接に関連していないこと
以上、4つを朝鮮学園が立証していないので、除外は適法である と主張。
つまり、適用されたければ、
・日本学校と同じような教育をしろ
・朝鮮学校はお金を不正流用する疑いがある
・朝鮮総聯、朝鮮(国家)は反社会的な組織
・なので朝鮮総聯、朝鮮と手を切れ
ということを、恥もなく堂々と言ってきたということです。
「不当」「反社会」というレッテル貼り。
朝鮮学校、在日朝鮮人は治安・公安管理対象ということを包み隠さずさらけ出したということです。
大阪高裁判決の要旨(朝鮮学園逆転敗訴)
・朝鮮総聯が組織的に学校を指導するという関係がある。
・朝鮮総聯との関係が深く、特に人的交流、人事面における関係性が強い。
・北朝鮮を礼賛させる教育内容であり、教育内容面でも影響力が強い。
・大阪朝鮮高級学校でも支援金の管理が適正に行われない疑いがある。
・ゆえに朝鮮総聯から、教育の自主性を歪められるような支配を受けている。
なので、無償化除外は適法。
国の主張を全面的に採用した判決。
国の主張=治安・公安的主張と資料。
朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮総聯・朝鮮学園・朝鮮学校という軸で「不当な支配」があると判断。
つまり裁判所が、朝鮮民主主義人民共和国、朝鮮総聯を「反社会的存在」と断定し、
それらと関係を持つ=「不当な支配」=自主性の喪失 と判断した。
朝鮮の歴史、日本による植民地支配の歴史、在日朝鮮人運動の歴史、
そういった事実、経緯をいっさい無視し、
法の趣旨・目的も鑑みず、
事実への法適用の根拠もない判決。
驚くべき稚拙さと偏見にまみれた判決。
司法の資本・政治への隷属を恥ずかしげもなくさらけ出した判決。
大阪地裁判決以外の判決の特徴も同様。
最後に、
日本国の主張する「不当」「反社会」とは何か?何を指すのか?
「正当」「社会」とは何か?
さらには、「自主」とは何か?
しっかりと考える必要があると思います。
現在新型コロナの問題で、「社会」が崩壊しきっていることが明らかになった日本社会において。