留学同大阪ブログ

在日朝鮮人大学生・専門学校生の団体です。在日コリアン学生、歴史、文化、教養

本紹介②『私たちはなぜ働くのか マルクスと考える資本と労働の経済学』

アンニョンハシムニカ!

突然ですが、

「きょうのおはなしなあに 春の巻」を読んでいたところ、「金太郎」が。

ふと読みました(子どもが選びました)。

自分が思っていたものとは全然違うストーリーでした。

木切ってクマと相撲して偉いさんになる、みたいな感じで思っていたのですが。

 

そこの金太郎は、畑を耕したけのこを採り。

面倒なケンカごとには加担せず。

偉い権力者からのお誘いには見向きもせず。

困っているウサギを助ける。

民の中のヒーローという感じ。

 

すもうのシーンなど一切出てきません。

権力に媚びるようなこともありません。

困っている人は全力で助けます。

みんなから信頼を受けた、土着の有力者という感じでしょうか。

かっこいいんです。

 

休業要請に応じない店を公表するとかいう、どっかの府知事とはえらい違いですわ。

死にかけてようが、言うこと聞かない人は私刑/リンチですか。

 

それはそれで、

その中で、金太郎は晴れの日は耕し、雨の日は何もせずただ読書をします。

まさに『晴耕雨読』ですね。

 

はい、読書します。

ということで本紹介です。

佐々木隆治『私たちはなぜ働くのか』

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◇紹介者コメント◇

 

 なぜ私たちは過酷な労働をすすんで行おうとするのか。賃労働に焦点をあてた、マルクス資本論』についての入門書。資本主義とは何かと知るうえで非常に助けになる一冊。

 マルクスの一貫した問題意識は世界の変革であった。変革実践のための理論活動を行い、「なぜ、いかにして」を考え抜いた。徹底して現実・実践に即し、現実的諸関係(経済関係、生産関係、またはその矛盾)の分析を行った思想家であり学者である。それゆえ、代表作である「資本論」は最も基礎的な経済学的カテゴリーである、「商品」「価値」から出発する。

 

「労働」とは何か?「社会」とは何か?「商品」とは何か?「価値」とは何か?

 自分たちが当たり前に認識しているものを改めて考え直すことから始まり、それが「貨幣」「賃労働」「所有」「資本」と進んでいき、資本主義とはどういったものか?ということを認識させてくれる。入門書といいながら容易に読めるものでもないが、逆に内容が深く、じっくりと学ぶことができる一冊。

 「私たちはなぜ働くのか」、「働く」(特に、雇われて賃金を得て働く)ということがどういうことなのか、改めて考えることができます。特に、第7章「賃労働と所有」は必見。資本主義が猛威を振るっている現在の世界の中で、重要なことを示唆してくれていると思います。

関西大学支部 卒業生 Hさん)