研究誌 在日朝鮮人運動への提言 について①(2019年度版から)
(2020年3月20日発行 500円)
2019年度の研究誌について書きます。
1.「在日朝鮮人の『集住』に関する考察 ー大阪市北区の事例を中心にー」
2.「現在の在日朝鮮人運動における『メンバーシップ』に対する批判的考察」
今回は、1.について
目次
序章 なぜ在日朝鮮人史を研究するのか
第一章 在日朝鮮人史研究について
第一節 在日朝鮮人史研究の難しさ
第二節 先行研究の傾向
第二節 解放前、大阪市北区に在日朝鮮人が住むようになった経緯
第三節 解放後、北区の「集住」の変化
第一節 解放後、在日朝鮮人の生活と仕事
第二節 北区地域の在日朝鮮人運動
第三節 現在に到るまでの経緯
終章 在日朝鮮人史研究の必要性
以下、本文より重要部分引用
「在日朝鮮人たちがどのように生きてきたかを明らかにすることが本稿の最も重要視する点である。」
「研究史という関心から強調されなければならないことは、歴史的な事実に研究が追い付いていないということである。」
「事実としての在日朝鮮人の歴史に対して、明らかにされていないことはあまりにも多いのである。」
「在日朝鮮人が、単なる日本国内の民族差別問題だけでなく、様々な問題を内包した、生きる歴史であるからだ。」
「在日朝鮮人史を研究することはすなわち、植民地主義とそれに対して被支配側の人びとがどのように対抗してきたか、朝鮮半島における南北分断、そして戦後の日本の歴史観や、戦後補償に関する問題全てを包括的に研究することにつながる。」
「在日朝鮮人のなかでも分断が起こっている今こそ、在日朝鮮人史を研究することで、在日朝鮮人がこれから行うべき権利運動の方向性や、在日朝鮮人の民族的アイデンティティについても論理的に考察できるのではないだろうか。」
「本論文では、解放後の在日朝鮮人の労働と居住に関しても重要視する。」
「日本の資本主義(帝国主義)政策のもと日本に渡らざるをえなくなった朝鮮人は、世帯を形成し、集住化=労働・生活コミュニティを形成し、運動を展開した。日本の敗戦(解放)後の在日朝鮮人は、大日本帝国下で下層労働力として利用されたあげく一転異化を強制され、公的制度的面だけでなく多くの場合、労働市場や社会活動からも疎外されることになる。つまり資本により使い捨てられることになり、生活のために新たな生業を始めることになる。そうした逆境の中、現在に到る同胞社会の形成が進んでいくのである。」
「そうした歴史はその時代を生きた人々の記憶には残っているとはいえ、多くの在日朝鮮人にとっては知られざる事実である。」
「そこで同胞がどのように生きたのか、解放前はもちろん戦後も続いた日本政府による在日朝鮮人弾圧・管理統制政策の中、無権利状態の中をどのように生き抜いてきたのかは知らないまま無かったことにされてしまう。」
「『小さな部落』というべき場所があちこちに存在し、日本による支配・弾圧・管理・統制の中、寄りあい助けあいながら、たくましく時にはしたたかに生きた同胞の生が、間違いなくそのにはある。」
より詳しい内容は、是非とも本誌を手にとっていただければと思います。
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リージョンセンター東大阪 布施
昨年執筆した二つの論文と講演会をもとに、2021年3月20日(予定)にも研究誌を発行予定です。 是非ともそちらもご関心を寄せていただければありがたく思います。