『7つの習慣』 色んな人たちが紹介して称賛しまくる名著を批判してみるコーナー
「名著批判」です。
「7つの習慣」です。
自己啓発本の王様ですね。
めちゃくちゃ読まれています。
めちゃくちゃ紹介されています。
めちゃくちゃすすめられます。
誰も否定しません。
だから批判したくなりますね。
します。
でも、その前に、いい本です。
勉強になりました。
自分の思想点検しました。自分の人生考えました。
「個人の憲法」つくり。面白い表現ですね。
かっこよく語っていた理念を飛び越えてどっか行ってしまった人。たくさんいますね。
権力に批判的で理念を語り「人間」を語っていた人が、権力の奴隷としてヒモつけられて踊りまくってる人。
います。
「個人の憲法」= 譲ることのできない「原則」ですかね。
それが「思想」ですかね。
本書だと特に、
「主体的であれ」、「ゴールを思い描く」、この二つですね。
「すべては自分の責任だと思え」
「原因を自分の中に探せ」
「自分が死んだときの、葬式のシーンで参列者に何と言われたいか?」
考えます。
自分が何のために生きるのか?
何を目標に、どのように生きるのか?
概要
「人格主義」と言われますね。
根本的な人格形成の必要性を説いています。
不成功状態= 依存状態・人のせいにする状態 ~ 自分が成功する状態 ~ みんなが成功する状態へ
ちなみに、7つの習慣とは、
① 主体的であること
② ゴール、終わりを思い描く
③ 重要なことを優先する
④ Win-Winを考える
⑤ まず理解して、理解される
⑥ シナジーをつくる
⑦ 刃を研ぐ
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マンガもあります。
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ユーチューブでの解説動画も満載あります。
ここから、批判です!
主体的であれ
まず自分が幸せになる。
それで終わりではなく、その後みんなが幸せになるようにする。
本書では、「公的成功」というものに重点を置きます。
それに対して、
資本主義じゃ無理じゃね? これにつきます。
資本主義=ゼロサムゲームでは。
資本家と労働者、階級社会では無理じゃないですか?
社会主義的なものを追求するべきじゃないですか。と感じました。
本気で「公的成功」を考えていますか?
「みんな」って誰ですか?
「公的成功」って、すごい意味を持つと思います。
社会全体、世界全体、歴史と現在、すべて見ていますか?
この本の中で、「社会」とか「世界」とか、
そういった言葉は追求されていません。
自分の周りの人たち?
それって誰ですか?
見える範囲の人たちですか?
じゃあ見えない人たちはどうでもいい?
見えない人たちを不幸にしても自分の周りの人たちが成功すればいい?
しかし、こういった自己啓発系の本に共通するのは、社会は変えられないということ。
それはものすごく難しいので自分を変えようみたいな。
いや、じゃあみんなが成功するなんて無理じゃないですか?
資本主義の本質は人間が生み出す剰余価値の搾取だとすれば、無理ですよね。
その構造問わずしては無理ではないでしょうか。
特権階級コミュニティが形成されるだけ、なおかつそれで「みんなが幸せになっている」感だけが出てしまうのではないでしょうか。
資本主義の本質 これが無視されている。
やはりヒットする自己啓発本の共通点に当てはまります。
個人的に感じていることですが、
大ヒットする書籍の思想って、大きな権力によって規定されています。
資本主義権力をえぐらない、新自由主義社会を掘りくずさない。
ヒットする自己啓発書で、「社会」を問うたものをみたことがない。
すべて「個人」のみ。「個」と「社会」をつなげる回路なし。
資本主義による「搾取」、資本主義の成り立ちの本質的な部分はガン無視。
そのうえで、その世界、グローバリゼーション、資本主義社会の枠内で「成功」するための考え方と実践を説くもの。
そんな気がしています。「7つの習慣」もがっつりそこに入る。
どうでしょうか?
(黄貴勲)