「今、『統一』を考える」 <留学同大阪 6・15北南共同宣言20周年記念 講演会>
昨日、6月14日(日)
6・15北南共同宣言20周年記念講演会
<今、『統一』を考える>
をオンライン上にて行いました。
報告させていただきます。
普段、考えることのない「統一」という問題。
4名の学生がそれぞれテーマをもって、一冊または二冊の書籍をたよりに学び、プレゼンをするという形で行いました。
参考とした文献は最後に載せています。是非手にとってみてください。
以下、内容概略 (黄貴勲まとめ)
① 6・15南北共同宣言に至るまでの朝鮮の流れ
朝米関係が問題の根本であるという認識から、1990年代の朝米交渉の歴史を整理。
「自主権を尊重し、内政に干渉せず、朝鮮の平和統一を支持する」という姿勢をアメリカ側に要求。
朝鮮の軍事優先政策によって、朝米交渉が進んだといえるのではないだろうか。
1994年6月6日 「朝米基本合意」
「第二条 双方は政治および経済関係を完全に正常化するために努力する」
これは朝米が、お互い対等な関係であることを認め合ったということを示す。
朝鮮の側からみると、アメリカとの対決の中、妥協せず対等な立場での交渉を通じて国際政治を動かしてきたというところに大きな意義があるのではないだろうか。
② 6・15南北共同宣言に至るまでの韓国の流れ 金大中大統領の生涯から
植民地支配、分断の苦痛を経験したからこそ6・15、統一のために尽力した。
1973年8月には、朴正熙政権によって拉致され暗殺されかける。1980年には死刑宣告を受ける。
金大中大統領の、構想について
第一段階: 国力の強化 植民地からの解放
第二段階: 4・19革命、光州民主化運動、6月抗争 民主化運動
第三段階: 祖国統一を具体的に目指す過程 統一運動
そうした、植民地期、分断、朝鮮戦争の中を誠実に生きてきたということがわかり、南の側からみると、そうした民主化運動・統一運動が「6・15」をもたらしたといえるのではないだろうか。
③ 6・15共同宣言の内容・意義
民族自主を合言葉に、平和的な統一を漸進的・段階的に行うということ。
統一の方式に関する構想に違いがあったとしても、違いを強調するのではなく、共通点を見いだしながら一つの国家を志向するということ。
「統一は目標であるとともに過程である」
そのうえで、信頼を作り上げていくことを合意し、行動してきた。
経済分野、スポーツ、文化、学術など様々な分野で交流を行う。
実際に、6・15を機に以後、様々な交流事業が行われた。
具体的に歴史が動いた。
分断、戦争、冷戦と、外勢によって左右された問題を、自ら解決策を探り実践していった。
20年越しに6・15の意義を学び、現在の状況と照らし合わせ、見直す作業が求められる。
④ 「今、統一を考える」 6・15のその後
6.15 南北共同宣言 20 周年を迎えて、今一度、祖国統一について考える機会が設けられた。6.15 南北共同宣言以降、両国は現在までどんな統一への一歩を歩んできたのか振り返り、今、統一 を考えることがどういった意味を成すのか考えなければならない。
開城工業地区 経済協力事業
ウリマルワープロソフト 「統一ワード」の共同開発 IT交流
離散家族の再会 人道事業
スポーツでの交流
さらに、6・15時代の交流事業には、在日朝鮮人をはじめとする海外同胞が積極的に役割を果たしてきた。
6・15の精神が2007年の10・4宣言につづき、約10年の南の保守政権による停滞を経て、2018年の大転換、4・27会談、9月平壌宣言にいたるもの過程の意義を考えまるべきである。
統一をめざすためには、
統一の主体は朝鮮民族全体であり、主体が共通する目標を目指すこと、そして朝鮮民族が力をつけるということが求められる。
また、客観的要因として、外勢の排除。朝鮮の統一を支持する勢力との連携を強化することが求められる。
まずは民族的統一を実現することから始めよう。民族的統一とは何か?
朝鮮統一の問題は、世界の平和の問題である。
総じて、自分たち新たな世代が、あらためて歴史を学び、歴史から学ぶことが大事。
学ぶことから。インプットしアウトプットすること。
そして、実践を。
*上記まとめは、学生たちが調べ発表した内容を筆者が整理したものです。
これからもこのような企画を積極的に行っていきたいと思います。
(黄貴勲)
【参考文献】
鄭敬謨「南北統一の夜明け」 技術と人間 2001
金大中「金大中自伝Ⅱ 歴史を信じて ―平和統一への道」 岩波書店 2011
林東源 「南北首脳会談への道」 岩波書店 2008
文益煥 「民衆による平和と統一」 新教出版社 1985
朴廣、河民一,「南北経済交流と在日同胞―「開城工業地区」、IT企業―」,社協ブックレットNo.003
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