【帝国主義!レーニン!②】本部学習振り返り
ひきつづき、
「帝国主義」から、「植民地主義」というものについて考えるために。
少し、書きたいと思います。
① 商品の輸出から資本の輸出 という変化
「商品の輸出」
商品の輸出というのは、自国で作ったものを他国で売る。貿易するということです。
産業革命後のイギリスが「世界の工場」といわれたように。
自国で大量に生産し、過剰となった製品を外にもっていって売る。
そこで、原材料や資源などを輸入することで儲ける。
その際も軍事力による強要により不平等な条件によって貿易が行われ、「先進諸国」が利潤をむさぼるという構造ができます。
それがさらに進むと、
「資本の輸出」へ
資本の輸出とは、貨幣そのものを外国へ投下する。
貿易会社のみならず、生産手段事態を、生産拠点を海外に作るということ。
「商品」による利潤から、「お金」による利潤へ。
その国の人びとの労働力を直接搾取し、さらに有価証券の発行により莫大な利益を窃取する。株式、債券、土地投機など。
レーニンは、独占資本主義、金融資本による世界支配の問題を「資本の輸出」段階において論じています。
大航海時代以降、世界への進出、不平等な貿易だけでなく
巨大な力によって世界が直接分割支配されるという時代。
大航海時代以降の帝国主義という見方もできると思いますが、「独占資本主義」の時代、世界のすみずみまで分割され植民地化されつくした時代。
そこで出てくる、二つの考察に対してレーニンは批判します。
一つは、「帝国主義」一般論への批判
政治権力による支配、その不当性のみを主張する論に対して、独占資本、金融資本の意図と力を考慮していないと批判します。
もう一つは、「自由市場」論への批判
悪いのは「独占」であり、自由市場に戻るべきだという主張に対して、自由競争こそが独占を生むのだと批判します。
二つとも、「資本主義」の本性を見落としている、もしくは意図的に無視していると。
「資本主義」というものを常に強く認識する必要があると思います。
「資本主義の最高発展段階としての帝国主義」だからです。
② そこでさらに「植民地主義」
そして、植民地主義へ。
世界の分割、植民地支配と進むといいました。
『帝国主義』でも多く論じられています。
特に重要だと感じたことは、
植民地での暴利をもって、国内の労働者を懐柔させる、黙らせる、という点。
そして労働者内、労働運動の分裂を企図する。
「分断して統治する」
イギリスの植民地政策の指導者、セシル・ローズの言葉、そのまま引用します。
すごいです。ものすごく悪い意味で。こんなことが言えてしまうのかと。
閲覧注意です。
「私の心からの理想は社会問題の解決である。すなわち、連合王国の4000万の住民の血なまぐさい内乱から救うためには、われわれ植民政策家は、過剰人口の収容、工場や鉱山で生産される商品の新しい販売領域の獲得のために、新しい土地を領有しなければならない。私のつねづね言ってきたことだが、帝国とは胃の腑の問題である。諸君が内乱を欲しないならば、諸君は帝国主義者にならなければならない。」
ということです。
これが帝国主義政策です。
その新たな領有において行われたこと、植民地政策とは何か?
上でいったように、植民地で暴利をむさぼったわけです。
もちろん日本もしかり。
植民地に君臨し暴利をむさぼれたのは、徹底的に労働力を酷使し抵抗する者をを抹殺し
つくしたからです。イギリスの歴史もフランスの歴史もアメリカの歴史も日本の歴史も同様です。
黒人への残虐な行為に抗議して、セシル・ローズの像があちこちで破壊されています。
歴史をみれば、当然です。
もちろんコロンブスしかり。レオポルドしかり。
世界史上類をみない野蛮な政治家、冒険家です。
まさに今起こっている問題です。
問われているのは自分たちです。
植民地支配とは、独占資本による暴利の窃取。
独占資本の意図を代弁する政治権力、軍事権力による蛮行の積み重ねによって建てられたものです。
ゆえに、経済的、政治的、文化的支配であり、何より軍事的支配となったのです。
さらに、徹底した蔑視感情、優生思想、文明 ⇔ 野蛮思考、弱肉強食志向を植えつけようとしたのです。
この点を明解痛快に暴露したものが、エメ・セゼール『植民地主義論』です。
長くなったので『植民地主義論』あらためて、じっくりと紹介したいと思います。
ものすごい一冊です。でもなかなか手に入れにくい代物です。
こういった激烈素晴らしい本が手に入らないのが日本の思想的現状だと思います。
まずは『帝国主義』から。
(黄貴勲)
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